▶沈黙の集落「群馬県南牧村星尾地区」

2009.08.08

写真群馬県南牧村星尾の集落を訪ねました。南牧村は群馬県の西部に位置し、群馬県の中でも最も高齢化が進んでいて、人口は約2500人程の小さな村です。

上信越自動車道下仁田ICを降りて国道254を下仁田方面へ走ると20分程で南牧村へ入ります。
長野県境に向かった南牧川の谷間の村で、急峻な山に囲まれ平地はほとんどありません。主な産業は山の斜面を利用したこんにゃく栽培や林業。昭和50年から同60年までの10年間で計約1800人、平成に入ってからの5年間は年約100人ずつ人口は減り続けたそうです。

星尾の住民はほとんどが高齢者。買物と病院が一番困ると「大上」集落のおばあさんが話してくれました。おじいさんの運転でたまに下仁田の町まで出かけることもあるそうですが、週一回来る移動販売のお店で肉や魚やおかしなど商品を買ってまかなっているそうです。家の周辺にある自分の畑で野菜を作っていて、今はおじいさんとふたり、できるだけ元気にいたいと話していました。

「大上」は約15軒程の集落でしたが、今は3軒に住民がいるのみで他の家は空き家になっています。人の住まない家は傷みも多くなりますが、庭の花は本当にひっそりと美しく咲いていてあるじの帰りを待っているようでした。集落の背後には立岩が雄々しくそびえています。
星尾地区を一番奥まで行くと、線ケ滝があります。落差が35メートルあり、白い一筋の線を描くように落ちる美しい滝です。ここは荒船山や立岩の登山口にもなっています。(文と写真:hasegawa)

▶日本の秘境「秋山郷」

2009.05.05

写真5月の連休後半に、秋山郷(あきやまごう)に行きました。関越自動車道を塩沢石打インターで降りて、国道353号、国道117号を使って津南町方向へ。しばらく走り津南町の商店街、小学校中学校を越え役場を過ぎるとすぐの信号を左折、405号をずっと進むと秋山郷です。

この405号はすごい道です。片側は崖で深い谷となっているので、対向車に注意しながら慎重に運転していきます。谷の深さは半端ではないのです。ひとつ間違えば谷底に真っ逆さまですから。
途中いくつかの集落があるので、その度に降りて散策。集落の正面にまだ雪をかぶっている鳥甲山が雄々しい姿でそびえています。

秋山郷(あきやまごう)は、新潟県津南町と長野県栄村とにまたがる中津川沿いの地域の名称です。東を苗場山、西を鳥甲山に挟まれた山間地域で、日本の秘境100選のひとつでもあります。新潟県側津南町には8つの集落、長野県側の栄村には、小赤沢、屋敷、上野原、和山、切明の5つの集落があり、みな温泉を有しています。一番大きい小赤沢が40数軒、次の屋敷集落で20数軒。豪雪地帯でもあるため、山あいのわずかな土地を切り開き古くから生活が営まれてきました。
鳥甲山を背景にする集落は和山。10軒程ある民家のほとんどが民宿です。

宿泊したのは秋山郷の中でも一番奥にある切明集落にある保養センター「雄川閣」。昔ながらの落ち着いたたたずまいの山小屋風の宿で、食事もイワナや山菜中心のヘルシーな郷土料理でした。宿の裏手は中津川と雑魚川の合流地点になっていて、ダイナミックな風景が楽しめます。吊り橋を渡って川沿いに歩くこと3〜4分の川に温泉が湧き出している地点があります。子どもたちが水着を来て遊んでいました。 (文と写真:hasegawa)

▶沈黙の集落「山梨県身延町釜額」

2009.03.28

写真中央自動車道の双葉ICTで中部横断道に入り高速道が終わる増穂でおりて、そこからは富士川に沿って52号を南下しました。見延町から「本栖みち」を通って本栖湖の方面に行くことに。
道の駅「下部」でひと休みして、地図で気になった「釜額民宿村」について店の人に聞くと、かつて 20軒程あった民宿が今は2軒がやっているだけとのこと。さっそく行ってみることにしました。

集落入口にある民宿の案内図が古く錆びています。観光客で賑わった時期もあったのでしょうか。民宿の看板が残り、廃墟の家も目立ちます。
一番奥までいくと、山あいを切り開いた畑がありました。そこの守り主だとでもいうように犬が迎えてくれました。小さな区画の畑でほうれん草や小麦、ねぎや大根など野菜が植えられています。山からおりてくる猿や鹿、イノシシ対策なのかどの畑にも電気線が張られていました。

背負子をかついで畑を登っていくおばあさんにあいました。話を聞くとおばあさんはひとり暮らし。この地で野菜を作って、都会に住む娘さんたちに送って喜ばれるのが楽しみなのだそうです。畑の端でしいたけ栽培もしていて、大きく肉厚なしいたけが育っていました。見ず知らずの私たちに「好きなだけ穫っていきなさい」と両手に持ちきれない程分けてくれました。(文と写真:hasegawa)

▶日本一のモグラ駅「土合」

2009.03.07

写真上越線土合駅の下り線は462段の階段を登り降りする通称もぐら駅です。昭和42年上越線の複線化の際、下りホームを地下70mの新清水トンネル内に設置したのだそうです。
上りホームのある地上の駅舎と下りホームの高さは81mもの高低差があります。下りホームから駅舎に行くには、ほぼ一直線に伸びる462段の階段(長さ 338m)を上り、10分程度を要します。

上越線を使って都会から谷川岳を目指す人は必ずこの階段を登ります。私にとってもなつかしい駅なのです。30年位前、東京の某山岳会に入っていてまだ初心者と言っていいくらいの山歴の頃、上野発23時何分かの最終列車に乗って夜中3時頃この駅に降り立ちました。暗い中、重い荷物を背負って一段一段階段を登った覚えがあります。しばらく駅舎か外で仮眠をとって明るくなる前、ヘッドランプをつけて山に登りはじめました。その日の縦走コースは白毛門、 笠ヶ岳、朝日岳でした。ただひたすら先輩方の背中を追いながら登りました。帰りは往路をたどるのではなく、登山道などないような道をヤブこぎをしながら湯檜曽川に降りてきました。先導者がベテランの方々だったとはいえ、いま思うと随分がんばった山行でした。(文と写真:hasegawa)

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